よくある質問Q & A
- 急性中耳炎の症状は?予防は?
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年長児は耳痛は60% 発熱は12~60%と症状のみで診断できるものではありません
乳幼児は痛いと言えないことが多いので、耳に手をやる・泣いて寝ない・首を振る・とりあえず不機嫌など症状がでます。耳漏(みみだれ)で気づくこともあります。寝つきが悪くなるとおっしゃられるお母さんが多いです
予防は鼻かみ 鼻汁吸引をすることです。片側ずつかんでください 両側の鼻をつまんでかむと鼻の細菌が中耳に入ることもあります。
黄色い鼻汁が3日以上続く場合は耳のチェックをしてください。特に中耳炎の既往があるお子さんは要注意です。肺炎球菌ワクチンは中耳炎の発症を抑えますが インフルエンザ菌(インフルエンザウイルスではありません。Hibワクチン)にはあまり効果がないようです。
おしゃぶり 、受動喫煙は中耳炎の発症要因になります
母乳栄養は中耳炎の発症を抑える効果があります
- 幼稚園、保育園に通っていて1日3回 薬が飲めません。
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通常弱いとされているペニシリン セフェム系抗生物質は1日3回で 新しく開発されたオゼックス、オラペネムなど強力な抗生物質は1日2回内服ですが 1~2歳児の反復性急性中耳炎のように風邪を引くたびに鼻の細菌が耳にいってしまうような病気では 強力な抗生物質を使い続ければ、耐性(効きずらくなること)ができてしまう可能性が高いです。とすると弱い抗生物質も効きずらくなり、外来における抗生物質経口薬が効かないため、入院抗生剤点滴ということになりかねません。
入院点滴では抗生物質の耳への移行がよいため現在のところは治癒までの時間が早いです。しかし入院で保育園は休まなければならず 付き添いも必要なためお母さんの負担もあります。
抗生物質は4時間以上あければよいので幼稚園の場合はたとえば朝8時、幼稚園から帰ってきた昼15時、就寝前21時などです。保育園で18時まで預けている場合は申し出てください。ペニシリン製剤を工夫して1日2回にするようにします
もしくは保育園で昼飲ませてもらえるのであれば 書類に記載します
抗生物質を飲んだり飲まなかったりすると耐性菌を増やすだけになります。
- 耳の中に水(プール、お風呂)が入っても大丈夫でしょうか
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耳の中に水が入ると中耳炎になると信じられていることもありますが 鼻かぜが原因です。鼓膜に穴があいている方は耳から汚れた水が入ると中耳炎をおこすことがあります。
痛みや高熱がなければ 入浴可能ですが、耳漏が出ている場合 鼓膜に穴が開いている場合は耳に水を入れないように気をつけてください
- 幼稚園 保育園について
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2歳以上は本日1日お休みさせてあげてください。 その後も発熱 耳痛などの急性炎症症状が続く間は休園させてください。
2歳未満は小さい間は治りにくく反復しやすいので、理想は1週間程度は休園したほうがよいでしょう。そうはいっても勤務シフトの急な変更は困難と思われますので登園しつつ治療を続ける方法をなんとか考えましょう。
保育園で新たな風邪をもらってまた急性中耳炎になることもあるので休園(集団保育を避ける)も治療のひとつになることもあります
- 水泳について
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1~2週間はスイミングは休んだほうがよいでしょう。耳漏や鼻漏が消失し 鼓膜の穴が閉じれば プールに入れます。
- 急性中耳炎に対して点耳薬は有効ですか?
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鼓膜に穴が空いている場合のみ有効です①鼓膜切開後②すでに急性中耳炎で鼓膜に穴があいて耳漏を認める③鼓膜換気チューブ留置後などです