急性中耳炎について
ear
急性中耳炎はウイルス性上気道炎(鼻かぜ)出現した後に発症することが多く耳管という鼻と中耳をつなぐ管を介して鼻から耳に主に細菌が移動して発症します。
一旦中耳に細菌がはいると、中耳は骨に囲まれており血流に乏しく抗菌薬の移行が悪いため菌が残りやすい状態になっています。
中耳炎の原因は耳漏培養の結果から65%は細菌+ウイルス、細菌27%、計92%が細菌が関与していると報告もあります。
したがって軽症以外は抗生剤投与が必要です。
抗生剤の選択は小児急性中耳炎のガイドラインによって決められています。
かぜ(ウイルス感染)の段階で抗生剤投与は必要ありませんし
中耳炎や肺炎の予防に抗生剤を内服しかえって免疫をつかさどる腸内細菌を減らしたり、
予防にはならず抗生剤に効きずらくなる(耐性化)することもあります。
抗生剤は弱いものから段階的に投与するので初回に強力な抗生剤を不完全に投与すると
菌が残り、次に選択する内服の抗生剤の選択に困り、入院して抗生剤点滴が必要な場合もあります。
患者さん側では反復性中耳炎は2歳未満の乳幼児に多く、特に保育園などの集団保育児が多くなります。
乳幼児では母親由来の免疫防御が生後6か月で低値になり2歳まで低免疫の状態が続きます。
鼓膜切開、鼓膜換気チューブ、漢方薬の併用などの対応が必要になることもあります。
外来治療でおさまらない場合には入院にて抗生剤の点滴を行うこともあります。